贈りものとしての食べものは、日持ちがして、軽く、誰もが美味しいと思うものがよい。
さらに、ちょっとした高級感で感謝の気持ちを添えることもできる。
そんな進物品の代表格として、人から人へと贈られてきたのが「海苔」です。
日本人の多くが海苔を美味しいと受け入れるのには、先祖から遺伝されてきたうま味の記憶を、海苔という食材が凝集させているからなのかもしれません。
海苔は、昆布のうまみのグルタミン酸、かつお節のイノシン酸など様々なうまみ成分を含んでいます。
焼いたのりの香りもよいのですが、家庭で焦がさずにあぶるのは難しい。
味付海苔のしょうゆの香ばしさは、とにかくご飯が進む。袋から出すと簡単に食べられる手軽さも、忙しい現代人にはマッチしていますね。
おむすびの形も地域によって違う。
三角おむすびは江戸発祥だが、蔵屋敷があった大阪では米俵にちなんで俵型が多い。
味付海苔は、俵型のおむすびをひと巻きするのにちょうど良かったかもしれません。
海苔とシャリのコントラストは何とも食欲をそそります。海苔さえあれば、具もいらない。
今度のお休みは、関西流の俵型おむすびを作ってお出かけされませんか。
海の恵み、海苔は栄養の宝庫。
■タンパク質・アミノ酸
海苔は「海の大豆」と呼ばれるほど、タンパク質の豊富な食品。海苔のうま味の大きな要因となるアミノ酸やタンパク質。
それらの含有量が、海苔は海藻の中でもズバ抜けて多い。大切なアミノ酸組成や炭水化物の食物繊維など、過食や偏食におちいりがちな飽食の時代に必要とされる栄養分を、たくさん含んでいる。保温作用、細胞活性作用が期待される。
■ミネラル
海苔の栄養素として代表的なものが、骨や歯の発育には欠かせ
ないカルシウムである。
それ以外にも、カリウム、マグネシウム、
海苔の黒い色の素になっている鉄分、亜鉛、さらに銅、マンガンなどが含まれており、まさに海のミネラルの宝庫といえる。
■他にもこんな成分が
「抗酸化物質」
海苔には、β−カロテン、ビタミンC・E等といった抗酸化物質が、
他の海藻より多く含まれている。
活性酸素に対し抗酸化作用が期待される。
「ポリフィラン」
海苔特有の物質で、保水力にすぐれ、乾燥から身を守る役割
を果たす。
保温効果、消炎作用、血糖値抑制などの効果が期待される。
「ノリペブチド」
海苔のクンパク質を酵素で分解して作られる物質。血圧降下をはじめ、様々な機能性を待つと考えられている。
血圧降下、毛
髪保護、コレストロール降下、末梢血液増加作用が期待される。
「EPA」
EPAは魚だけでなく海苔にも含まれている。抗炎症作用が期待される。